数学上の発見の過程 岡潔

岡潔は「多変数解析函数論」で未解決な部分に挑戦したが、3ヶ月経っても手がかりが得られず無理にやっていると眠くなってしまう。そんな悩みのとき、北海道大学の中谷宇吉郎から誘いがあり、夏休みに北大の応接室を借りて研究を続けたが未解決のまま。

9月にはいりそろそろ帰らねば思っていたとき、中谷宇吉郎さんの家で朝食を呼ばれた後、隣の応接室に座って考えるともなく考えているうちに、だんだん考えが一つの方向に向いて内容がはっきりしてきた。2時間半ほどこうして座っているうちに、どこをどうやればよいかがすっかり分かった。2時間半といっても呼び覚ますのに時間がかかっただけで、対象がほうふつとなってからはごくわずかな時間だった。

このときはただうれしさでいっぱいで、発見の正しさには全く疑いを持たず、帰りの汽車の中でも数学のことなど何も考えずに、喜びにあふれた心で車窓の外に移り行く風景を眺めているばかりだった(岡(1972)pp.35-36)。
春宵十話

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